よんでみ亭へようこそ ー第二回ー 

 

テーマ  よんでみ亭へようこそ ー第二回ー   平成15年2月28日

 三行半sankouhan          芭蕉の短冊basyo

 

それではまず、古文書(こもんじょ)とは?--昔書かれた書き物です。それこそ手許には平安時代に書かれた文書のテキストもありますが、漢字ばっかしですごく難しくて読めませんから、近世のをこれから一緒に楽しみましょう。
  
  1図

 いきなり最初から離縁状です。典型的ないわゆる“三行半(みくだりはん)”ですね。タイトルは『差出申す一札』

 夫(政之助)の勝手から離縁すること(建前は)。別れた後は妻(とも-登毛-)がどうしようと文句は無いという配慮?-の2点が書かれてます。
 離婚には必ず離縁状が必要だった。離縁状ナシで再婚すれば重婚罪に問われたそうです。ですが妻から離縁を申し出る事は出来なかった。どうしても別れたかったら縁切り寺へ駆け込むしか手は無かった。

 たとえば、亭主がろくでもない奴だったら悲惨でしたねえ。妻が何かの拍子で愛人ができる。不義密通となります。現場に踏み込まれれば、“二つに重ねて四つにされ”ても亭主は無罪。たいていは示談でしたが、慰謝料の相場が5両(関西:江戸は7両2分)でしたので庶民には大金でした。

 ここで話は飛びます。5両と言いましたが、江戸時代を通じ関東は金本位制で関西は銀本位制でした。ですから九州でしたら金5両といったら銀600匁(約2キロ)。この価値は私にもよく判りませんが。ちなみに米一石(100升)が約60匁でした。

 この文の中で、向後(きょうこう)何方(いづかた)如件(くだんのごとし)などは古文書定番の用語です。また最後の政之助の署名の下に、横棒一本引いてありますが、爪印と言います。おそらく彼は無筆で、署名も含めて庄屋か町役に代筆してもらったのでしょう。
   
 さて次は格調高く“奥の細道”から。

  2図

 芭蕉(桃青)自筆の『羽黒三山』短冊です。右から、

“涼風やほの三日月の羽黒山”
“雲の峯いくつ崩れて月の山”
“かたられぬゆどのにぬらす袂かな”
 
 やっと仮名文字が出てまいりました。でも読みにくいですねえ。俳句や書道をやってる方は読めるでしょうが。物語や歌等には、『変体仮名』と呼ばれるよくこんなカナが使われます。
 涼風やの下のホは“本”から。いくつ崩れてのツ・レ・テは、“津”“礼”“亭”。かたられぬは“閑堂ら礼ぬ”、ゆどのの下のニは“尓”になってます。

 どうですか?めんどくさいけど、芭蕉自筆ということでなんとなく歴史が身近になるでしょう?
 それではまた次回に
                            亭主敬白

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