野下の「誰でちゃピカソ」  デッサンについて    2003年5月31日
 
美大、芸大への入試には必ず「デッサン試験」があるようです。
とりあえず、デッサンは絵画の基本と言うことになっています。
私も当初5,6枚石膏デッサンをしました。載せているのは、その内の1枚と「安井曽太郎」のデッサンです。
どちらが私のデッサンであるかは、一目瞭然です。
安井曽太郎は、戦後直ぐに東京芸大の教授となり、「デッサンの神様」と言われた人です。
現在「安井賞」と言う日本でもっとも権威のある絵画の賞がありますが、これは彼を記念してできたものです。
その年の各地の展覧会で優勝した絵を中心に候補に挙がります。
デッサンの方法は、細い棒で対象物の中心を求め、更に長さや方向を紙に写していきます。
それと、陰の濃さの濃淡を比較しながら、鉛筆や木炭で塗っていく単純作業です。
考えようによっては、「土木測量」と全く同じで、感情の入り込む隙間はありません。
やり方さえわかれば、ほとんどの人が出来ると思います。
明治初期の国費留学で、美術が選ばれた理由の一つに「土木測量」としての考えがあったようです。
と言うわけで、デッサンについては、お酒を飲みながら描くことは出来ず、
禅を組んだり書道をするような無の領域での仕事になります。
私にとって役に立ったことと言えば、
「どちらの部分が、より強い陰があるか。(光の影響を立体がどの様に受けているか。)」を意識するようにはなりました。
一部の画家や美術の先生も「デッサンは必要としない。」と主張しています。
私も、デッサンが下手でも絵は描けると考えています。
・・・デッサンは、なによりもビールを飲みながら描けないのが辛い、トホホです。