次の日の朝、皆で食事をしていても無言で通した。

識章が学校へ出かけるときに、やっと声を掛けてやった。

 「これ持って行け、金が無かったら恥かくぞ。帰りにお茶くらい飲んで来い。」

と言って二千円だけ渡したら、照れ臭そうに受け取って出て行った。

(ふうむ、子供はこうやって親離れして行くのだな)と、なんとなく妙な気分であった。

(まあいいか、勉強も大切だが、なにより真っ直ぐな心の持ち主になってほしい。なんでも駄目駄目とも言えんし、帰ってきてから良く話してみよう。)

 こうやって、世の親同様この私も子育ての一ページがまた新しく開いていくのであった。